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真田丸・第23回「攻略」(14)無意味に超強気に見える北条氏政。実は勝算があったという話

「今更、秀吉に頭(こうべ)を垂れるつもりはない!!」北条氏政 真田丸
「今更、秀吉に頭(こうべ)を垂れるつもりはない!!」

ドラマでは、結局、降伏を考え始める北条氏政ですが、ドラマを見てこられた方なら、ここまでの氏政の超強気の態度を見ておられたかと思います。




「思い切ったことをしたものだ」北条氏政 真田丸
「思い切ったことをしたものだ」

家来が豊臣秀吉の意思を無視して、既に秀吉の家来になっている真田昌幸の名胡桃城を奪った時も、大して気にしていない様子でしたし、秀吉の上洛命令をずっと拒み続けていました。


北条氏政 真田丸
北条氏政はなぜこうも強気だったのでしょうか?
普通に考えれば、20万を超える大軍を持つ秀吉軍に勝てそうもないですし、日本のほとんどが秀吉の支配下に入ってしまっている現状を考えれば、さっさと家来になってしまった方が良かったとしか思えません。
氏政の心の中を覗くことは当然出来ませんが、私は氏政には勝算があったのだと思います。


※画像は大河ドラマ「風林火山」の上杉謙信
かつて北条家は戦争の天才・上杉謙信と関東の支配権を争って戦ったことがあります。
この時は、上杉軍の強さに勝つことが出来ませんでしたが、小田原城に籠城し、追い返した過去があります。
しかもこの時も秀吉軍の20万ほどではないですが、上杉軍は10万の大軍でした。
氏政には、あの上杉謙信にすら落とせなかった小田原城で戦えば、決して負けないという自信があったでしょう。
これには、日本の戦国時代独特の事情があります。
※画像は大河ドラマ「風林火山」の上杉謙信


神流川の戦い 真田丸
このブログで何度か触れているように、戦国時代の兵士たちのほとんどは、普段は農業をしている百姓です。
いざ戦争となると、百姓たちを城に呼び集め、兵士に仕立てて戦争に行くというのが、戦国時代の基本的な戦い方です。


田んぼ
このため、戦国時代の戦いには、おのずとタイムリミットがありました。
農業の忙しい時期、すなわち田植えの時期と稲刈りの時期は、農作業のために百姓を田畑に返さなくてはならないということです。


「関八州をやる代わりに江戸に移って貰うから。駿河や三河はもういらんだろ?」豊臣秀吉と徳川家康 真田丸
城を包囲したとしても、その期間はせいぜい半年。
それ以上経つと、農作業の季節が来て、戦争を終了する必要がありました。
このため、城に篭もる側も、城を攻める側も、数ヶ月以上の戦争の準備をしないのが普通でした。
※無論、例外もありますが、長期間の戦いの場合も、百姓兵は一時帰還させます。
 そうしないと、百姓の収穫した米の年貢が基本的な収入の戦国大名は破産してしまいますからね。







日本以外の世界史を見れば、コンスタンティノープルなど数年に渡って籠城をした例もありますが、日本では以上のような理由で、籠城戦といってもせいぜい数ヶ月。長くても1年も続きません。
どちらが勝つにしても、引き上げる必要があるからです。


お米が兵糧
次に問題になるのは食料です。
日本人というのは、歴史的に見て戦争での物資の補給という考え方が薄い民族です。
戦争での食料は、数日分は持って行くにしても、後は現地調達します。


段は畑仕事をしている百姓
具体的に言うと、現地の百姓たちから食料を奪ってしまうのです。
しかし、20万もの大軍が一箇所に集まった場合、これはさすがに不可能というものです。
周辺の食料はすぐに食べ尽くされてしまうことでしょう。
このことを知っていた氏政は、秀吉の大軍はすぐに帰ってしまうと読んでいたのではないでしょうか。


※画像は大河ドラマ「風林火山」の上杉謙信
実際、上杉謙信が小田原城を包囲した時は、食料不足で撤退しています。
当時、小田原周辺が飢饉で食料不足だったことが原因の一つですが、これこそが食料を現地調達していた証拠と言えるでしょう。
氏政とすれば、この時同様、小田原城で守りを固めていれば、決して負けないという自信があったはずです。


そして織田信長 真田丸
ところが、秀吉は織田信長の組織を引き継いだ男でした。
織田信長は、百姓を兵士にすることを止め、金で雇った専属の軍人が集まった部隊を作っていました。
このため、農作業の時期が来ても、何割かの百姓兵を家に帰したとしても、秀吉の主力は帰る必要がありません。




荷駄
また、長期戦に備えた補給を担う専門の補給部隊も持っていました。


「20万の兵が1日に食う米の量は・・・」石田三成 真田丸
「20万の兵が1日に食う米の量は・・・」

これを石田三成のような優秀な奉行が運用したため、秀吉軍は兵糧に困ることはありませんでした。
ドラマでも、石田三成は食料のことを気にしてましたよね。


「もうわかった!!」上杉景勝 真田丸
「もうわかった!!」

石田三成の細かい指摘に苛立つ上杉景勝ですが、この食料の手配こそ、石田三成の本分ですからね(汗)


茶々と豊臣秀吉 真田丸
秀吉は食料に困るどころか、新妻の茶々を呼び寄せ・・・


出雲阿国と踊る豊臣秀吉 真田丸
出雲阿国(いずものおくに)まで招いて・・・
※阿国については出雲阿国の詳細はNHKでは少々扱いにくいかも(笑)参照


秀吉の家来たち 真田丸
家来も一緒にどんちゃん騒ぎで余裕の様子。
これは北条氏政が秀吉軍の撤退を期待していることが分かっての心理戦だったのでしょう。


秀吉と家来たちの宴会 真田丸
また城を包囲しての戦いは、籠城する側は屋根のある城で寝泊まり出来るのに対して、包囲する側は粗末な小屋のような宿所を作るのがせいぜいで、一般の兵士は野宿になることも珍しくはありません。
これでは包囲する側は大変なわけですが、ドラマで見ても分かるように、秀吉は普通に住めてしまうほどの宿所を建ててしまっています。
これもまた「のんびりやりますよ」という北条氏政へのサインの意味もあったのです。


伊達政宗 真田丸 白装束 降伏
この状況に北条家に援軍を出してくれるはずだった伊達政宗も降伏。


追い詰められた北条氏政 真田丸
織田信長から引き継いだ当時としては近代的な秀吉軍組織の力を見誤った北条氏政は、こうして追いつめられていくことになります。




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ジャンル : テレビ・ラジオ

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