真田丸・第30回「黄昏」(3)ガラシャ様と吉蔵は敵同士だった

「ディエゴもパウロも捕らえられたそうです」 真田丸
ディエゴパウロも捕らえられたそうです」

サン・フェリペ号事件を発端に、徹底されたバテレン追放令。
このため、逮捕者まで出る始末。

【サン・フェリペ号事件に関する過去記事】
真田丸・第30回「黄昏」(2)秀吉が欲しかったのは積み荷じゃなかった?そんなに単純な話ではないサン・フェリペ号事件



ディエゴ喜斎
この台詞で出てきている洗礼名も実在の人物です。
ディエゴはディエゴ喜斎(きさい)という商人。
パウロはパウロ三木という戦国武将の息子で、当人が宣教師になっています。

【洗礼名についての過去記事】
真田丸・第29回「異変」(7)ちょいキャラっぽいわくさは、実は凄い女性だった。洗礼名ってなに?


sanadamaru2513.jpg
「私はなんで、捕まらなかったのでございましょう・・・」

運良く逮捕されなかったのに、むしろそれが不満な様子の吉蔵。


「あなたはキリシタンになって間がないので、パードレ(神父)がお取り計らいくださったのかも知れませんね」ガラシャ 真田丸
「あなたはキリシタンになって間がないので、パードレ(神父)がお取り計らいくださったのかも知れませんね」

それに答えるのはガラシャ様。
キリスト教徒同士が寄り集まって、逮捕された関係者を心配する会合のようですが、実は吉蔵とガラシャ様が一緒にいるのはおかしいです。


「フランシスコ吉蔵」 真田丸 それというのも、同じキリスト教でもガラシャと吉蔵では宗派が違うからです。
「秀吉が欲しかったのは積み荷じゃなかった?そんなに単純な話ではないサン・フェリペ号事件」でも書きましたが、商人の世界ではポルトガルとスペインの勢力争いが起きていましたが、宗教の世界でも同じことが起こっていました。



フランシスコ・ザビエル 真田丸
日本でも有名なフランシスコ・ザビエルらが作ったのがイエズス会
これはポルトガルの組織です。
そしてスペインの同じような組織がフランシスコ会
フランシスコがかぶっていてわかりにくいですが、別の組織なのです。
ポルトガル商人がスペインを攻撃してサン・フェリペ号事件に発展したように、イエズス会とフランシスコ会も激しく争っていました。
一般的な日本人の感覚から言うと、同じキリスト教を広めようとしているのだから仲良くすればいいのにって思いますが、縄張り争いはそう単純な話ではないのです。


「フランシスは細工の名人で、頼めばどんなものでも作ってくれるのです」細川ガラシャ・玉 真田丸
ガラシャ様はイエズス会の宣教師から洗礼を受けてキリスト教徒に。
一方、吉蔵はフランシスコ会の宣教師から洗礼を受けてキリスト教徒になっています。
ライバルの宗派ですので、おそらく同じ会場で祈るようなことは無かったはずです。


「ここは死なない。パードレ様がそう仰っていた」フランシスコ吉蔵 真田丸
「ここは死なない。パードレ様がそう仰っていた」

ドラマではガラシャ様が引き止めるのを振り払って、出頭してしまう吉蔵。
吉蔵が最初は逮捕されなかったのに、自ら出て行ってしまうのは史実で、結果、吉蔵も含めた26人が処刑されます。
この時に殺されたのは、フランシスコ会の人たちのみ。
ポルトガル人の密告を信じた秀吉は、ちゃんとイエズス会とフランシスコ会を分けて処刑したのでした。


sanadamaru2519.jpg
もちろん、バテレン追放令は、キリスト教徒全員に関係することですし、神父たちが追い出された後、日本人の信者同士が宗派の垣根を超えて集まったシーンとも取れなくはないのですけども、一応、ガラシャ様と吉蔵が一緒にいた可能性はかなり低いと言っておきます。

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ジャンル : テレビ・ラジオ

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No title

精力的な記事、いつも楽しみにしています。

さて、今回の積荷~殉教事件について、真田丸時代考証の丸島氏が紹介されていたリンクを以下にご紹介します。三谷氏の脚本はこの説に沿っているのではないかと思います。殉教事件が起こった理由がいろいろあるにしろ、主目的が積荷収奪にあったという説です。そして、ご指摘の通りフランシスコ会の人たちだけを捕える予定だったのが、三成の管轄圏外で捕えられたイエズス会の3人も処刑されたそうです。

「二十六聖殉教者のメッセージ」 
長崎純心大学 学長 片岡 千鶴子
http://theology.catholic.ne.jp/

基調講演の項で事件の顛末が、そして質疑応答の項で上に書いたようなことがあらためて回答されています。ご参考までに。

Re: No title

> 精力的な記事、いつも楽しみにしています。

ありがとうございます。

> さて、今回の積荷~殉教事件について、真田丸時代考証の丸島氏が紹介されていたリンクを以下にご紹介します。三谷氏の脚本はこの説に沿っているのではないかと思います。殉教事件が起こった理由がいろいろあるにしろ、主目的が積荷収奪にあったという説です。そして、ご指摘の通りフランシスコ会の人たちだけを捕える予定だったのが、三成の管轄圏外で捕えられたイエズス会の3人も処刑されたそうです。

なるほど。
結局イエズス会も巻き添えを食っていたのですね。
いずれにせよ、最終的にはキリスト教が禁止され、江戸時代になると鎖国により貿易も禁じられるわけで、ポルトガル人としては、自ら墓穴を掘った形ですね(汗)


> 「二十六聖殉教者のメッセージ」 
> 長崎純心大学 学長 片岡 千鶴子
> http://theology.catholic.ne.jp/
>
> 基調講演の項で事件の顛末が、そして質疑応答の項で上に書いたようなことがあらためて回答されています。ご参考までに。


ありがとうございます。
拝読いたしました。
こういった歴史的考察の記事は、書く人の今の立場や、載せようとする資料により、その趣旨や内容が変化せざるを得ません。
リンクは日本カトリック神学会誌よりの抜粋ですので、自ずとキリスト教擁護の内容になっているむきがあるかと思いました。
秀吉が荷物目的にやったのかどうか、私個人としての意見は特にありませんが、ドラマでは話を単純化するために、キリスト教の当時の状況が細かく描かれていないところがあり、それに興味を持つ一助になればと思っております。










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