真田丸・第30回「黄昏」(7)苗字と姓は違う意味だった。朝臣(あそん)について解説

「羽柴、藤吉郎、豊臣の朝臣(あそん)秀頼である」豊臣秀吉 真田丸
「羽柴、藤吉郎、豊臣の朝臣(あそん)秀頼である」

急遽、拾いを元服させ、家来たちに紹介する秀吉。
このブログではここまで、名前についての解説を何度かやってきましたが、今回新たに朝臣というものが出てきたので解説します。
まあ、知らなくても良い要素な上、少々ややこしいので興味のない方は読み飛ばしてください。

【名前についての過去記事】
真田丸・第一話「船出」(3) ここがこだわり、真田丸での名前の取り扱い



豊臣秀頼 真田丸
まず前提として知っておきたいのは、苗字について。
今では苗字と言ったり、姓と言ったりしますが、同じ意味で使われています。


離婚届
試みに離婚届で検索して出てきた画像を見ると「氏名」となっており、苗字を書く欄は「氏」とあります。


姓 
また、全く同じ意味で姓・名と使う場合も多々あります。
現代人にとって、姓も氏も苗字も全く同じ意味です。
しかし、本来は違うモノなのです。



豊臣秀吉 真田丸
まず「氏(うじ)」は本来、日本古来から血縁同士で集まった親族の集団が名乗っていたもので、自然発生的なものです。
自然発生的なものではありますが、古いものを氏と呼び、その後新たに生まれたモノは氏とはあまり呼びません。
豊臣も氏です。
ただし、豊臣の場合は、わざわざ天皇から頂いたという形をとっていますけども。
秀吉の時代では、古くからあるモノだけを氏と呼んでいたので、わざわざ天皇からもらった形にしたのでしょう。
また、現代では苗字を氏と呼ぶように法律で決められているため、離婚届などの公的な書類は氏になっています。




爪を噛む徳川家康 真田丸
苗字は各自が勝手につけたものです。
こちらは天皇にわざわざ貰う必要は無く、例えば分家して、別の土地の支配者担った場合、その土地の地名を名乗るのが一般的です。
源氏の人が足利庄に住み着いて足利になり、後に足利尊氏が誕生したりといった感じです。
徳川家康の徳川は苗字です。
徳川家康は源氏の子孫と自称していたので、もし氏で名乗るなら源家康となります。
でも徳川氏という書き方もするのに「氏」ではないというのが、非常にややこしい(笑)


朝臣
そして最後に朝臣は姓です。
姓は「かばね」と読み、これは天皇から与えられるもので、地位や役職を表します。
かといって官位とも違うのでややこしい(笑)
しかしまあ、貰っても名誉だけのものという意味では、官位と一緒のようなものではありますが。


※画像は大河ドラマ「江~姫たちの戦国~」の豊臣秀吉
で、藤吉郎は通称。
現代て言えば名前ですね。
豊臣秀吉の通称は藤吉郎ですので、それを継承したわけです。
秀頼は諱(いみな)。
こちらも名前のようなものですが、生きている間はめったに呼び合わないので、現代人の感覚だと戒名に近いでしょうか。
ドラマでも信繁のことを「信繁」と呼ばず、通称の「源次郎」か、官職の「左衛門尉」と呼んでいるのは、そのあたりをリアルに表現しているわけです。
というわけで・・・
※画像は大河ドラマ「江~姫たちの戦国~」の豊臣秀吉


豊  臣  氏(うじ)
朝  臣  姓(かばね)
藤吉郎  通称(つうしょう)
秀  頼  諱(いみな)

となります。

ちなみに、朝臣は「ちょうしん」とも読み、この場合は帝の家来という意味になりますが、ここでは「あそん」の方です。


とまあ、ここまで解説してきましたが、姓・氏・苗字は、当時の人でも混同していることがありまして、要はそれほど明確に分かれていたものではありません。
明治維新以後、戸籍制度が法律できっちりと決められると整理され、日本国民全員が苗字を付けていいとなってからは、その境目も無くなりました。
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