真田丸・第48回「引金」(4)毛利勝永の妻子と、そのかっこよすぎる美談

毛利勝永と妻と毛利勝家 真田丸
真田幸村の提言により、浪人たちの家族が大阪城に招き入れられました。
ドラマでは特に言及がありませんでしたが、勝永の肩を叩いているのが妻で、その横にいる若者は息子のように思えます。
この内、特に奥様は後に有名になる逸話を残しているので、ここで紹介しておきたいと思います。




毛利勝永 真田丸
毛利勝永は関ヶ原の戦いでは石田三成に付き、このため敗戦後は流罪(るざい)となっています。
このあたりの経歴は、ほぼ真田幸村と一緒ですね。
ただ、勝永にとって幸運であったことは、幽閉された先が、土佐の山内家であったこと。
山内家と毛利家は元々縁が深く、このため毛利勝永は罪人とはいえ、真田幸村のように貧しい暮らしをしていたというわけではありませんでした。


豊臣軍 真田丸
しかし、豊臣家と徳川家の戦いが近いと知ると、毛利勝永は今の生活を捨てて、大阪城に入る決意をします。
毛利勝永は山内家に対して「徳川軍に味方する」と騙して、大阪城に向かう許可を得たので、出て行く事自体は問題なかったのですけども、その嘘はいずれバレます。
そうなると、残した妻が処罰されるに違いないとして涙を流します。
しかし妻は

「君の御為の働き、家の名誉です。残る者が心配ならば、わたくしたちはこの島の波に沈み一命を絶ちましょう」

意訳主人(豊臣秀頼)のために働くのは、毛利家の名誉です。残る私が心配というならば、海に飛び込んで自殺いたします」

と励まして、勝永を励ましたと言います。


婦女鑑
この話は、はるかな後年、明治時代になってから有名になり、女性の鑑として評判になることになります。


「なかなか良い働きであった」毛利勝永 真田丸
「なかなか良い働きであった」

余談ですが、毛利勝永は大阪城に入るに当たって、息子を連れてきています。
ですので、このシーンも息子とは久々の再開ではないのです。
息子が頑張って戦ったことを妻ににこやかに説明しているといったシーンなのでした。

以下、少しネタバレあり。


徳川家康 真田丸
話を妻に戻します。
後に毛利勝永と息子は戦いに敗れて死亡し、妻は敵方に捕まってしまいます。
しかし、先述の毛利勝永の豊臣家に対する忠誠心と、その妻の覚悟を聞いていた徳川家康は

「丈夫の志のある者は、みな、斯くの如しである。彼の妻子を宥恕(ゆうじょ)し、罰してはならない」

意訳「高い志のあるものは皆、このようである。彼の妻子を寛大な心で許し、処罰してはならない」

と命じ、妻と息子(戦死した長男以外に息子がいた)を保護したといいます。
毛利勝永・その妻、そして徳川家康もかっこいい美談ですね。
※ただし、この手の美談にありがちな話ではありますが、後世の創作である可能性の高い話です。
そもそもこの妻というのが誰のことなのかも確定的ではありません。


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ジャンル : テレビ・ラジオ

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No title

>「丈夫の志のある者は、みな、斯くの如しである。彼の妻子を宥恕(ゆうじょ)し、罰してはならない」
>と命じ、妻と息子(戦死した長男以外に息子がいた)を保護したといいます。

申し訳ないのですがこれ、明らかな後世の創作ですよ。
息子の太郎兵衛は京都に連行された後、
京都所司代の板倉勝重の手によって処刑されています。

江戸時代中期以降になると、主君へ忠義を尽くすのが武士の鑑とされたので
この手の美談が創られ、持て囃されるようになったのでしょうね。

No title

>息子の太郎兵衛は京都に連行された後、
>京都所司代の板倉勝重の手によって処刑されています。

太郎兵衛は母親と土佐に残った次男の方です。
勝永と大阪の陣に参戦したのは長男の勝家で、父親と共に大阪で自刃しています。
ちなみに太郎兵衛が処刑された為、勝永の直系は絶えました。

No title

ご指摘ありがとうございます。
この逸話は婦女鑑などで、喧伝された話ですので、かつてはかなり有名な話でした。
ということが言いたいのが趣旨でして、史実であるかどうかは、伝えたい趣旨ではありませんでした。
ですが、ご指摘を受けて、架空の可能性が高いという注釈を追加いたしました。

そもそも、毛利勝永の妻として有名な龍造寺家から来た正室は、この時点では死去しているわけで、この人、いったい誰なのか?って話ではあります。
この逸話が紹介されている常山紀談は、江戸中期に書かれたものなそうなので、後世の創作である可能性はかなり高いものであるとするのは、同意です。

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